須田 将啓
株式会社エニグモ
代表取締役 共同最高経営責任者
慶應義塾大学院 理工学研究科 計算機科学専攻 修士課程修了。2000年博報堂入社。マーケティングプランナーとして、大手企業からベンチャー企業まで幅広い領域のマーケティング戦略、ブランド戦略、コミュニケーション戦略の立案を行う。2004年株式会社エニグモを設立。代表取締役 共同最高経営責任者に就任。
http://www.enigmo.co.jp
エニグモ上場までの道のり
2004年に、インターネットを利用した新しいビジネス企画・開発することを目的にエニグモを設立し、割と早い段階で上場することを目標にしていました。2年間ほどの模索期を経て、広告サービスで利益を出すようになり事業は急拡大。これで上場かと思っていた矢先に、リーマンショックなどもあり、しきり直し。2010年から構造転換を図り、V字回復を果たし、当初の予定よりは時間がかかりましたが、昨年7月に東証マザース上場を果たしました。
新生銀行との関わり
事業が急拡大していた2008年、新生銀行プライベートエクイティ部(現・新生企業投資)からのアプローチにより、出資の話が進みました。他にもいくつか出資してくださる候補先があったのですが、担当の方が非常に熱心で、多くの営業先を紹介していただき、ファイナンスのタイミングを見てお願いしました。おそらく、早々に上場を考えられていたのでしょうが、その後の大変な時期にも、関係が崩れることなく、昨年の上場まで4年間お付き合いいただきました。いい信頼関係が築けたと確信しています。
新生企業投資とはどんな集団か
銀行というと、もっと堅い人たちだと思っていましたが、全く違いました。とても話しやすく、ざっくばらんに何でも相談できて、いい意味でギャップがありました。投資していただいた後、担当者には毎月の報告会にも出席してもらいましたが、担当者はどの方も面白い方ばかり。出資の比率としては、それほど高くはなかったのですが、広告サービスを拡大していた頃は、取引先などもご紹介いただきました。銀行の信用力を持ちながら、非常にカジュアルなイメージのチームだと感じています。
ベンチャーの成功の鍵は
たくさんの失敗ができたことだと思います。多くの失敗をして、それを変革していくプロセスの中で、すべてが洗練されてきました。もともと広告代理店のメンバーが中心だったので、資金調達のことも上手ではなかったし、「BUYMA(バイマ)」のサイトも全然使いにくいものでしたが、失敗する中で、サイトもネットサービスのやり方も洗練されてきて、会社自体も洗練されてきたと感じています。今振り返ると、失敗しても立て直せる資金や、人材、それを許容してくれる出資者というリソースに恵まれていたこと、それが成功の鍵だと感じています。
新生企業投資への期待
ベンチャーのシーズの段階ではなく、一段階上がるようなときに、株主としてのブランド力、信用力として、新生企業投資には大きな魅力があると思います。チームとして、とてもスマートな人たちが多いのですが、同時に、ベンチャーのカルチャーを楽しんでくれて、期待し応援してくれる雰囲気がとてもいい。今後も、何か新しいことをやりたいときに、一緒に考えていけるリレーションが築けたと思っています。これからベンチャーを目指す人も多いと思いますが、考えているだけでは何も無いのと一緒。とにかくアウトプットすること、旗を立てること。動き出せば、すべてが変わります。そんな日本のベンチャーを新生企業投資には、盛り上げていってもらいたいと期待しています。